こんにちは 管理人の井口です。
今回のテーマは「認知症」です。
日本を含む先進国は、少子高齢化に悩んでいます。それに伴い増えてきたのが認知症です。日本でも、高齢者が増えるに伴い認知症患者が増えてきています。実は、認知症の原因に睡眠不足が関わっていることが、最近の研究でわかってきました。そこで、今回は、認知症の基礎的な知識から認知症と睡眠との関係まで書いてきます。
目次
・認知症とは
・認知症の種類
・睡眠不足だと認知症のリスクが高くなる
認知症とは
wikipedeiaには次のように書かれています。
認知症(にんちしょう、英: Dementia、独: Demenz)は認知障害の一種であり、後天的な脳の器質的障害により、いったん正常に発達した知能が不可逆的に低下した状態である。
引用:wikipedia
簡単にいうと、「あることが原因で脳の機能が低下した状態。」でしょうか。
年をとると、誰でも物忘れ等はある程度ありますが、認知症の場合はそれが病的なレベルになります。よく、引き合いで出される例が「食事を取ったことを忘れる」ことですが、「『誰と』取ったか」ということも忘れることも多いそうです。認知症は様々なタイプがありますが共通する症状は、記憶障害、見当識障害、認知機能障害です。見当識障害というのは、時間や場所がわからなくなる状態です。自分の家がわからなくなると、いわゆる徘徊するようになります。
日本では昔は、「痴呆」「呆けた」と呼ばれていて、病気扱いはしていませんでした。2004年に厚生労働省が「認知症」と書き換えるようにという報告が出されて2007年には、医療機関でも「痴呆」という言葉は使われなくなりました。また、日本では、現在350万人が認知症と診断されていて、2065年には65歳以上の3人に1人が認知症になるという予想もあります。
認知症の種類
認知症は、原因によって大まかに6つに分けられます。
-
血管性認知症
血管性認知症は、多くの場合脳梗塞や脳卒中の後遺症として発病します。全体の約15パーセント位が血管性になります。昔の日本では、血管性認知症が多かったといわれていますが、今は下のアルツハイマー型のほうが圧倒的に多いです。
-
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は、脳が萎縮していく過程で脳の機能が失われて認知症として発病します。このアルツハイマー型認知症が割合で一番多く約65パーセントにもなります。
-
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、脳にレビー小体と呼ばれる物体が現れることで発病します。特徴は、手足が震えたり、認知機能が日によってまちまちになるらしいです。ほとんどが65歳以上の高齢の人です。
-
パーキンソン病を伴う認知症
パーキンソン病は、脳の神経細胞で神経伝達物質であるドーパミンが不足して起きる病気ですが、パーキンソン病に患っていると、認知症になるリスクが高くなるそうです。普通の人と比べると5~6倍なりやすくなるそうです。
-
前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症は、文字通り脳の前側にある前頭葉や側面の側頭葉が萎縮して発病します。他のタイプに比べて初期は認知機能が保たれているが、そのかわりに行動や性格が変化することが多いといわれています。また側頭葉の場合、ことばを司る言語野が萎縮して会話が難しくなったりする場合があるそうです。他のタイプにみられる徘徊等の行動は少ないそうです。
-
若年性認知症
年齢が65歳以下の人が発症する認知症のことです。やはり多いのはアルツハイマー型だと思います。
睡眠不足だと認知症のリスクが高くなる
認知症の発症のメカニズムは、はっきりとは解明されていません。ですが、最近の研究で睡眠と関わりあることがわかってきました。
一番多いアルツハイマー型は、「アミロイドβ42タンパク質」というタンパク質が、またレビー小体型認知症は「α-シヌクレイン」というタンパク質が、脳に沈着して起きると考えられています。アミロイドβ42タンパク質は、脳が活動して出来たいわばゴミで、α-シヌクレインは、神経細胞にある機能不明のたんぱく質だそうです。これらのタンパク質が脳に沈着することにより神経細胞が破壊されることで、脳の機能が低下し認知症が発症します。
実は、睡眠中にこれらを含めた脳の活動できたゴミや眠気の元となる睡眠物質が排出されています。日中に起きているときもある程度は排出されるそうですが、やはり寝ている時の方が多いそうです。
睡眠時間が短かったり浅かったりすると、これらのゴミの排出が不十分で脳の中に残ります。これがいわゆる睡眠負債ですが、当然認知症の原因物質と考えられているタンパク質も、脳内に残り続けて溜まっていくわけです。例えていうなら認知症というのは、「家の中を掃除をする時間が足りなくてゴミが溜まっていき、最終的にゴミの重さに耐えられずに床に穴が開いた状態」といえるかもしれません。
ちなみにアルツハイマー型認知症は、原因物質であるアミロイドβ42タンパク質が沈着し始めて発病まで30年かかるといわれています。もしかしたら、20代の頃から激務で睡眠時間を削って仕事をしていたりすると、若年認知症になる可能性が高くなるかもしれません。
いかがでしたか。
認知症は、現在のところ治療法はありません。また、一度発病すると元には戻らないとされています。将来の老後のためといっては大げさですが、少しでも健康で長生きするために若い頃から、しっかりと睡眠をとり、認知症予防を心がけましょう。
コメント