今更人には聞けない「睡眠負債」の意味と影響

こんにちは 管理人の井口です。

今回のテーマは「睡眠負債」です。

今更な話ですが、去年の流行語に「睡眠負債」という言葉が選ばれました。もともとは、専門家の間で長く使われていたらしいですが、NHKの番組で取り上げられて以来広く知れ渡るようになりました。ですが僕もそうですが、番組を見ていなかったりして言葉は知っていても、実際の意味等をちゃんと理解できていない人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、睡眠負債の意味からその影響までを書いていきます。


目次
睡眠負債とは何か
放置しておくとどうなるのか
返済するには時間がかかる
年をとればとるほど返済しにくくなる
自分の睡眠負債を知る方法


睡眠負債とは何か

発端となったNHKスペシャルを元にした新書「睡眠負債 ”ちょっと寝不足”が命を縮める」には次のように書いてあります。

睡眠負債は、眠りの借金です。誰しもが、毎日一定の睡眠時間を必要としており、それより睡眠時間が短ければ、その足りない分が除々に溜まって睡眠負債となります。

引用:「睡眠負債 ”ちょっと寝不足”が命を縮める」NHKスペシャル取材班  

一言で言ってしまうと、「慢性的に睡眠時間が少し足りない状態」です。睡眠時間に限らず、睡眠の質が少し悪い状態が続いても、睡眠負債は溜まっていきます。

負債の正体は、睡眠物質と呼ばれる眠気の素です。簡単にいうと、脳の中に溜まるゴミです。つまり、「睡眠負債が溜まっている状態」というのは、掃除する時間が足りなくて捨てきれないゴミが溜まっている状態だということです。

多分ですが、僕は、現代人は多かれ少なかれ、僕も含めて誰しもが睡眠負債をある程度持っていると思っています。もちろん、少ないことに越した事はないです。

放置しておくとどうなるのか

  • 眠たくなる

    睡眠負債が溜まってくるとどうなるかというと、一番わかりやすいのが眠たくなります。特に、誰でも眠たくなる昼食後の時間帯はより顕著に出ます。睡眠負債の程度にもよりますが、起きてから6時間後から眠気が来る人もいるかもしれません。また、ひどい場合には居眠り運転などを引き起こす原因にもなります。

  • 病気にかかりやすくなる

    睡眠負債が溜まっていたら、病気にかかりやすくなります。これは、免疫と関わりがあります。実は、深く眠ってる間は体の免疫の機能が活発に働いているのですが、睡眠時間が短かったり質が悪かったりすると、免疫が十分に機能しなくて病気にかかりやすくなります。また、睡眠時間が短いとがんや認知症になりやすくなるという研究結果もあります。

    免疫と睡眠の関係について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。「睡眠と免疫力 知れば納得の関係」

    睡眠と認知症の関係について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。「睡眠は認知症予防になる?!」

  • 脳の機能が落ちる

    睡眠負債が溜まってくると、脳の機能が落ちます。特に認知機能が働きが弱くなります。なので、仕事の効率や運動やスポーツのパフォーマンスに影響が出ます。

    睡眠と生産性の関係について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。「睡眠不足と生産性との納得の関係」

返済するには時間がかかる

睡眠負債を返済するには思ったよりも時間がかかります。その理由は2つあります。

  • 普段の生活分の負債も返さないといけないから

    なぜなら、普通に生活していても眠気の素である睡眠物質が出るので、それ以上にしっかりと睡眠をとらないと返済出来ないからです。

    多くの人は、週末のいわいる寝だめで返済しようとしますが、週末の寝だめだけで睡眠負債を返済するのは難しいです。例えるなら、家や車のローンをボーナスだけで返済しようとするみたいなことです。返済しようとするなら、普段の睡眠から見直したほうがいいです。

    睡眠負債を返済する上で効果的な寝だめのポイントについてはこちらの記事を参考にしてください『これで月曜日から元気!? 効果的に寝だめするポイント』

  • 回復するのに順序がある

    二つ目の理由は睡眠が回復するのに順序があるからです。どういうことがというと、睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠がありますが、実はレム睡眠よりもノンレム睡眠の方が先に回復しようとします

    例えば、質が悪く時間も短い睡眠をとっていた場合、ノンレム睡眠もレム睡眠も不足します。そういう人が、とりあえず睡眠時間を伸ばすと、先にノンレム睡眠が増えます。ある程度ノンレム睡眠の不足分が補えたら、レム睡眠が増えます。こういう順序で睡眠は回復します。

    しっかりと深くて良い睡眠をとっているが、十分な睡眠時間を確保していない場合は、レム睡眠が少ないだけなので、時間を伸ばすだけで十分です。しかし、睡眠の質が悪い場合はノンレム睡眠が足りないので、まずノンレム睡眠が増えます。その間は、レム睡眠が少し減るのでノンレム睡眠が回復した後に、レム睡眠が増えます。

    なので、質が悪い場合は睡眠時間が短い場合よりも時間がかかります。そういう意味で言うと、睡眠時間の不足よりも睡眠の質が悪い方が重症かもしれません

年をとればとるほど返済しにくくなる

年をとってくると、睡眠負債は返済しにくくなります。なぜなら、年をとってくると睡眠時間は短くなり、深い睡眠の量も減ってくるからです。

僕もそうですが若い時は、休日は昼まで寝ることが出来たが、年をとるとそんなにも寝ることが出来なくなります。深い睡眠が減ってくるので、疲れも取れにくくなります。そういう意味では、年をとればとる程睡眠には神経質になった方がいいのかも知れません。

自分の睡眠負債を知る方法

自分にどれくらい睡眠負債が溜まっているか、知りたい方もいるかも知れません。はっきり分かる方法はないですが、簡易的な方法とある程度具体的にわかる方法の2つを紹介します。

1分間目を閉じる

簡易的に分かる方法は、「1分間目を閉じる」ことです。目を閉じて開けた後、頭がぼーっとする時間の長さを見ます。長ければ長いほど睡眠負債が溜まっています。

これは、睡眠惰性と呼ばれる現象で、眠っている状態から急に起きたために頭がもっと寝ていようとするために起きます。睡眠負債が溜まっていると、すぐに深く眠ろうとするので、睡眠惰性が長くなりやすくなるわけです。ある程度の目安になるので、時々でも目を閉じて確認するのもおすすめです。

眠れるだけ眠る

2つ目の方法が、「眠れるだけ眠る」ことです。つまり、体が要求するだけ眠ってみるということです。眠たかったら、2度寝、3度寝もします。睡眠負債が無かったり少ないと普段と同じ時間に置きますが、睡眠負債が溜まっていると、それだけ長く眠ることになります。

オックスフォード大学の実験では、40分の睡眠負債を返すのに、14時間睡眠を3週間続ける必要があったそうです。今まで睡眠に関心がなかった場合は、これくらい必要かもしれません。ですが、3週間も14時間睡眠を続けるというのは、普通は無理なので、完全に返済をするのであれば気長に睡眠の改善を続けて少しづつ返済するのがいいと思います。

試しにやって見る場合は、体内時計を乱すことになるのでGWの時等の大型連休のときにするといいです。

いかがでしたか。

最近は、睡眠の本にも「睡眠負債」という言葉が出ます。本文にも書いたとおり睡眠負債はほうっておくと、がんや認知症のリスクが高くなってしまいます。年をとれば返済が難しくなるので、今からでも返済してみてはいかがでしょうか。