朝日新聞の「患者を生きる」を解説してみた⑥「ゲーム障害」

こんにちは、管理人の井口です。

朝日新聞の生活面の連載記事「患者を生きる」の解説シリーズ。今回は、「ゲーム障害」です。

今年、WHOがゲーム障害を精神疾患に分類しました。昔は、ゲームといえばテレビゲームだけだったのが、最近はパソコンでオンラインゲームやスマホで「どこでも」「いつでも」ゲームという環境になっています。そういう意味では、これからはゲーム障害の患者は増えていくのではないでしょうか。今回は、朝日新聞の記事の内容を紹介しながら、ゲーム障害について書いていきます。


目次
ゲーム障害とはなにか
ゲーム障害と睡眠
本人は気付きにくい
治療は基本的にはカウンセリング
引きこもりの人は要注意
たかがゲーム、されどゲーム


ゲーム障害とはなにか

ゲーム障害は、簡単に言うと「ゲームに依存した状態になること」です。WHOの定義は次のようになっています。

  • ゲームの時間や頻度などを自分で制御できない(やめられない)
  • 人生における他の関心事や日々の活動よりもゲームを優先する
  • 学校や職場、家庭などにおける日常生活に支障をきたしてもゲームを続ける

です。これが、1年以上続くとゲーム障害に該当するそうです。症状がひどい場合は、短期間でも診断されます。要は、「日常生活よりもゲームをどれだけ優先しているか」ということだと思います。記事で紹介されていたケースでは、パソコンによるオンラインゲームで、ひどいときには一日20時間ログイン、つまりゲームをしていたようです。食事も取らず睡眠も削ってまでもゲームをするとなると、ゲーム障害と診断されて当然でしょう。

ゲーム障害の人は、ゲームをやめると、精神が不安定になるそうです。記事でもイライラして、壁などを壊したそうです。家族に暴力を振るうケースもあるそうです。これは多分離脱症状で俗に禁断症状のようです。このあたりは、覚醒剤といった麻薬の薬物依存と似ています。

ゲーム障害と睡眠

ゲーム障害の患者は不眠の症状に悩む人が多いそうです。多い順に、

  • 朝起きれない(75.8%)
  • 昼夜逆転(60.0%)
  • 睡眠不足(31.7%)

です。記事には書いていませんが、恐らく「なかなか寝付けない」という悩みもあるのではないかと思います。

原因の一つは、体内時計のズレです。最近のゲームはほとんどがネットを介したオンラインゲームです。オンラインゲームは夜の9時頃から盛り上がるみたいです。「ゲームで盛り上がり集中してプレイしていると、あっという間に深夜1時、2時になり慌てて寝る」ということが多いのではないでしょうか。はじめは、睡眠不足で起きれなかったのが、習慣的に続くようになり、最終的に体内時計が後ろにずれてしまうことで、その時間に起きるための習慣が消えてしまうわけです。

また、パソコンやスマホの画面の光は、ブルーライトが多く含まれているので、眠気を催すメラトニンの分泌が抑制されてしまいます。眠くならないので知らず知らずの内に遅くまでゲームをしてしまいます。ゲーム障害の場合、生活の何よりもゲームを優先にするようになるので、部屋にこもるようになります。その結果、日光を浴びる時間も減ってしまうのも、体内時計が狂ってしまう要因になると思います。

本人は気付きにくい

これは僕の想像ですが、ゲーム障害やギャンブル依存は本人は病気だと気づきにくいのではないでしょうか。

というのも、一番はじめはどんな人も自分の意思で始めています。先程も書きましたが、記事のケースは一番ひどい時で20時間ゲームをしています。ゲームを始めた当初は当然そんなに長時間していませんし、恐らく20時間は長すぎるという認識だったはずです。しかし、ゲームが面白くなりどっぷりとはまると、当然プレイ時間は伸びます。少しづつ伸びた結果が一日20時間なのです。また、記事で紹介されていた人はゲーム内での仲間との関係もあり、ゲームが居場所のような感じだったこともあり、なおさらのめり込んだようです。

記事では、家族に半ば無理やりネットが通じない親戚に預けられて精神が不安定になり病院に行くようになったみたいです。ただ、病院が遠かったため、通院が続きませんでした。親戚の家はネットが通じないので、このままではゲームができないと思ったのか、自分の意志で治療を受ける決心をしたようです。本人は、やりたくてやっているだけなのかもしれません。ただ、傍からみるとその行動は常軌を逸した行動です。一度正気に戻ればおかしいということはわかると思いますが、そうでない内はなかなか難しいかもしれません。

治療は基本的にはカウンセリング

治療は基本的にはカウンセリングのようです。記事に「カウンセリングを通じて自分の状況を認識し、ゲーム以外の関心が持てるものを見つけるなどして、学校や職場、社会で生活できるようにしていく」と書かれてありました。

これは素人考えですが、依存症とはいえアルコール中毒や薬物依存とは違い、体の変化はあまりなく、強いて言えば「睡眠相後退症候群」があるぐらいだと思います(睡眠相後退症候群についてはこちらの記事を参考にしてください『朝日新聞の「患者を生きる」を解説してみた⑤「睡眠相後退症候群」』)。自分の状態を認識し、規則正しい生活を送れるようになったら大丈夫なのではないでしょうか。

また、ゲーム障害の患者さんは、注意欠如・多動性障害などの発達障害も合併していることがあるそうです。この場合は、薬で治療するみたいです。夜に眠くならない場合は、眠気を催すホルモン(恐らくメラトニン)を補う薬も処方する場合もあるみたいです。

引きこもりの人は要注意

部屋に閉じこもり外に出ない「引きこもり」の人は、ゲーム障害になりやすいと思います。というのも、僕も引きこもっていたことがありますが、基本的に暇です。出たくても出れないので、部屋の中でやることといえばゲームくらいしかありません。特に若い中高生ならなおさらです。今は、オンラインでゲーム仲間同士で会話することもあります。記事で紹介されているケースと同じように、ゲームの中に生きがいや自分の居場所を見つけるかもしれません。ただ、同じようにはまってしまい、生活が不規則になると社会復帰も難しくなります。

引きこもりの人に「ゲームをするな」とはとても言えませんが、将来社会復帰を目指すのであれば、せめて規則正しい生活を心がけてください。引きこもりについては、こちらの記事に僕の経験と意見も書いていますので、気になる方はどうぞ。「引きこもり経験者の僕が考える引きこもり脱出のポイント」

たかがゲーム、されどゲーム

ここまでいろいろなこと書いてますが、「たかがゲームでしょ」と思うかもしれません。確かにその通りです。ただ、最近のスマホのゲームの中には「課金システム」があります。これは、お金を払うと例えばいいアイテムや武器が手に入るといったシステムです。今までのゲームは、ただ単にゲームをしているだけ、オンラインゲームでも仲間とチャットや通話で話すだけでしたが、課金システムがあると、お金が絡んできます。最悪の場合、ゲームにお金をつぎ込むあまり、借金してしまう場合もあるでしょう。そうなったら、もはやゲームというよりもギャンブル依存に近くなります。たかがゲームですが、されどゲームです。放っておくと大変なことになるかもしれません。注意してください。

いかがでしたか。

僕は今はゲームを全くしなくなりましたが、ゲームは面白いのでハマるのもうなずけます。しかし、生活や人生を台無しにしてまでするものでもありません。するなとは言いませんが、ちゃんと節度を持って自己管理しましょう。心のどっかに引っかかりを感じながらしても楽しくないと思います。ちゃんと自己管理をして、生活に支障がなければ誰も文句は言えません。やることをしっかりやってから思いっきりゲームを楽しんでください。