朝日新聞の「患者を生きる」を解説してみた⑤「睡眠相後退症候群」

こんにちは、管理人の井口です。

朝日新聞の生活面の連載記事「患者を生きる」の解説シリーズ。今回は、「睡眠相後退症候群」です。

朝が苦手な人は多いと思います。特に若い女性の方はよく「低血圧なので朝は苦手」という人を見かけます。ただ、最近の研究で朝が苦手なことの原因の中に、「起立性調節障害」という病気や「睡眠相後退症候群」が隠れていることがわかってきています。起立性調節障害は、起床時に十分な血圧が保てない病気です。もう一つの「睡眠相後退症候群」は、睡眠のリズムが狂ってる為に起きれなくなるという病気です。今回は、記事の内容を紹介しながら、睡眠相後退症候群について解説していきます。


目次
睡眠相後退症候群とは
基本は生活指導だが薬による治療もある
体内時計を維持するポイント
10代の子が朝が苦手な理由


睡眠相後退症候群とは

なにやら難しい言葉ですが、睡眠相後退症候群というのは平たく言うと「体内時計が狂ったことで睡眠のリズムが後ろ(時間が遅くなる方)にずれ、生活に支障をきたす病気」です。病気とは違いますが、いわゆる「時差ボケ」も広い意味でいうと睡眠相後退症候群と言えるかもしれません。睡眠のリズムが遅くなる方にずれてしまうので、いわゆる遅寝遅起きになります。

子供が夏休み中に生活のリズムが狂ってしまい、朝起きれなくなって不登校になるというケースもあるようです。記事で紹介されていたのは、中学の頃に塾に通い出すことで寝るのが遅くなり、風邪を引いて学校を休んだことがきっかけで、昼夜逆転の生活になったために起きれなくなった子でした。この子の場合は起立性調節障害もあったために更に朝起きるのが難しかったようです。

基本は生活指導だが薬による治療もある

睡眠相後退症候群の治療は、基本的には生活指導です。規則正しい生活をしているとこの病気にはならないので、少しずつ本来の生活に戻していくことになります。記事によると薬による治療もあるようです。記事で紹介されていた子は、朝4時に寝て昼2時頃に起きる生活だったようです。朝7時にお母さんが起こそうとするのですが、3時間しか寝ていなくて、しかも起立性調節障害で血圧が上がらないので起きれるわけはありません。

体内時計だけも問題であれば、いつもよりも少し早く起きて日光を浴びるといいのですが、恐らく起立性調節障害の兼ね合いもあって薬による治療ななったのだと思います。ただ現在、睡眠相後退症候群の治療薬は保険の適用外なので注意してください。

体内時計を維持するポイント

記事では、塾に通い出して寝るのが遅くなったのが発端になっていました。そこで、出来るだけ体内時計を維持するためのポイントを4つ紹介します。

  • お風呂の電気は消して入る

    まず、「お風呂に入る時は電気を消すこと」です。

    人の睡眠に欠かせないのが睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」です。メラトニンの分泌量が少ないとなかなか眠気が来なくなります。メラトニンは光に反応して分泌量が少なくなる性質があります。朝起きてから15時間から16時間後に分泌がはじまるので、それ以降に明るい光を浴びると影響がでます。

    特に、子供は大人よりも光に対する感受性が強いので、大人よりも影響を受けやすいです。実際にお風呂の電気を消したら、子供がすんなりと寝たという話を聞いたことがあります。最近は、塾通いで帰宅が遅くなる事が多いと思うので注意してください

  • LEDの照明には注意

    照明関連でいうと、「LED照明」にも注意が必要です。最近はどこの家庭でも蛍光灯よりもLEDの方が多いかもしれません。

    よく「スマホは睡眠に良くない」と言われますが、原因の一つがブルーライトです。実は、LEDは蛍光灯よりもブルーライトが多いことがわかっています。ブルーライトが多いと体は昼間と勘違いしやすくなり、先程も書いたメラトニンの分泌量を減らしてしまいます。普通の昼白色よりも電球色の方がいいと思いますが、専門家の中には「LEDはどんな色でもすべて青色と思え」という人もいます。なので、出来るだけ明るさを落としたほうがいいです。

    あまり暗いと今度は目が疲れてしまうので逆効果なので気をつけてください。

  • 眠れない時は頭を冷やす

    塾等で帰りが遅くなると、夜寝てもなかなか寝付けないということもあると思います。そういう時は、頭を冷やしましょう。色々考えが浮かんできてしまう時は、脳が過剰に働いている状態なので、冷やすことで強制的にクールダウンするわけです。ただ、注意してほしいのが、冷やすのは、おでこか後頭部、つまり耳から上の部分です。耳から下を冷やすと逆に目が冷めてしまうので注意してください。

    また、冷やす方法はなんでもいいですが、保冷剤が一番です。熱冷ましに効果のある冷えピタもいいですが、冷えピタは体温以下には冷えないようになっているそうです。もちろん冷たくて気持ちいいので、その効果でリラックスして寝付けるようになるかもしれません。ただ、冷やす効果は限定的なので注意してください。

  • 食事の注意点

    塾等で帰りが遅いと夜ご飯も食べるのが遅くなる場合もあると思います。ただ、寝る前に食事をするのはおすすめできません睡眠中も胃腸が働くので睡眠の質が下がりやすいのと、未消化のものが胃の中に残りやすいので、朝ごはんが食べられなくなります。

    遅くなる場合は、学校から帰った時に食べる時間があるなら、簡単にその時に。ないのであれば、時間の合間におにぎり等簡単に済ませることです。そして、帰った時にスープなど消化の良いものを食べましょう。

    遅いからと食べないと、それはそれで睡眠の質が下がってしまいます。睡眠が悪いと記憶の定着も悪くなります。せっかく塾に行って勉強しているのに、それが原因で体調が悪くなったり、成績が落ちたら本末転倒です。気をつけてください。

これらの他にもいくつかポイントはあります。その他のポイントが知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。「帰宅が遅い時にすんなり寝付くための6つのポイント」

10代の子が朝が苦手な理由

僕もそうでしたが、10代の頃は男女問わず朝が苦手です。なかなか起きてこなくてやきもきしている親御さんも多いと思います。10代の子が朝が弱いのも理由があります。それが、以下の2つです。

  • そもそも睡眠時間が長い

    まず、10代の頃は大人と違い、必要とする睡眠時間が長いです。おおよその目安ですが、小学生で10時間、中学生で9時間、高校生で8.5時間、大学生で8時間だと言われています。ですが、大学はともかく、小学校から高校までは大人の時間で回っているため朝が早めです。なので、早起きをしようとするなら早く寝ないといけなくなります。朝7時起床なら、中学生なら夜10時に寝たほうがいいということになります。当然宿題等の勉強の他に自分の時間も必要ですし、塾に通っていたらなおさら難しくなります。総じていうと、子供の頃は睡眠不足になりやすいということです。

  • 体内時計が夜型になりやすい

    もう一つの理由は、「体内時計が夜型になりやすいから」です。理由はわかりませんが、大学生の頃までは、体内時計が夜型になりやすいとされています。つまり、夜になるほど元気になるというわけです(もちろん個人差もありあます)

    それでなくても、睡眠不足になりやすい上に夜型になりやすいために、気をつけていないと夜ふかしをしやすくなります。特に今の時代は、スマホやゲームで簡単に夜ふかしができてしまいます。記事で紹介されていた子も寝付けないからとスマホや携帯ゲーム機で遊んでいるうちに夜中の2~3時になって慌てて寝ることが多かったようです。

    夜ふかしを避けるためには、しっかりと眠くなることが必要です。そのためにも上で挙げたポイントに注意してください。

いかがでしたか。

睡眠相後退症候群は規則正しい生活をしているとなりませんんが、一度なってしまうともとに戻すのは大変です。記事で紹介されていたケースのように別の病気も関わってくるとさらに難しくなります。ただ、現代の生活環境は簡単に夜ふかしが出来てしまいます。朝起きるのが苦手な方や夜ふかしが多いなと感じる方は、一度生活を見直されてはいかがでしょうか。