意外と知らない不眠症の基礎知識

こんにちは、管理人の井口です。

今回のテーマは、「不眠症」です。

先日、NHKEテレの今日の健康という番組で不眠症について特集していました。多分、多くの人が不眠症についてはよくわからないか、間違った解釈をしているのではないかなと思います(僕もそうでした)。そこで、今回は番組の情報をまとめつつ、不眠症について書いていきます。


目次
不眠と睡眠不足の違い
睡眠障害と不眠症
自分で不眠症と判断するのは間違い
不眠症の原因は間違った理解が多い
アルコールは控える


不眠と睡眠不足の違い

よく健康関連のTV番組や睡眠の本を読むと、「不眠」と「睡眠不足」という言葉が出てきます。一般には、「睡眠の質が悪かったり、不足したりしていること」のような意味で使われることが多いですが、厳密に言うと少し違い、以下のような意味があります。

不眠

  • 寝たくても、寝れない状態のこと。わかりやすくいうと、「睡眠時間は確保しているが、何らかの原因で睡眠に不満がある状態」です。一言で言うと「睡眠に悩みがある状態」のことです。日本では、3人に1人は不眠に悩んでいるそうです。不眠の内訳は、

    ・寝付けない
    ・途中で目が覚めてしまう(中途覚醒)
    ・朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)

です。あと、疲れが取れない等睡眠の質が悪いことも入ります。寝付けないというのは、大体どの年齢でもありますが、中途覚醒や早朝覚醒は高齢者に多いそうです。

  • 睡眠不足

    ただ単純に、睡眠時間が足りない状態。

どちらかというと、不眠は睡眠の質に問題があり、睡眠不足は量に問題がある感じです。ただ、このブログでは不眠という言葉は使わずに、睡眠不足で一括りにしています。不眠という言葉とその意味があまり一般的ではないと思っているからです。

睡眠障害と不眠症

この2つの言葉も混合しやすいと思います。睡眠障害は、「睡眠に問題があり、眠気等が生活に支障が出ている状態」です。不眠症というのは、睡眠障害の内の一つで、「寝床に入っている時間が長い割に寝ていない状態の総称」が定義です。

番組の中で言われていましたが、睡眠障害は約70種類もあります。その中で不眠症というのは、原因がわからないものを指すそうです。番組内では「原発性睡眠障害」と呼ばれていました。

一般には、なかなか寝付けないことというイメージがありますが、そもそも原因がわからないものなので、途中で目が覚めて、その後寝れなくなるということも含まれます。大体全体の3割程度が、不眠症に当たるそうです。

 

自分で不眠症と判断するのは間違い

不眠で悩んで病院に行く人の多くが自分で不眠症だと思い込んでいるそうです。これは、「不眠症=眠れなくなる病気」というイメージがあるからでしょう。

ただ、先程も書いたとおり、不眠症というのは、数ある睡眠障害の中の一部で、原因がわからないものを指します。例えば、睡眠時無呼吸症候群や体内時計が狂っていることでなる睡眠障害や、うつ病等の精神疾患でも不眠の症状があるのもあるのでその可能性もあるわけです。そうした睡眠障害の可能性を排除していった結果残るのが不眠症です。

なので、実際に不眠症と断定するためには、睡眠障害について専門知識が必要です。そういった知識を持っていない人が、不眠症だと断定することは難しいです。また、不眠症の中には逆説性不眠症と呼ばれるものがあります。これは、簡単に言うと「思い込み」で、実際にはしっかり寝ているのに、何らかの理由で自分は寝ていないと思いこんでいる状態です。

これは想像ですが、浅いノンレム睡眠は、起きていると勘違いすることが多いです。約7割の人が「起きている」と勘違いをしているという研究もあります。つまり、浅いノンレム睡眠が多いと、自分は寝ていないと思い込みやすくなるかもしれません。

そういった場合もありえるので、自分で早合点せずにまずは、睡眠の専門医の診察を受けることをおすすめします。

不眠症の原因は間違った理解が多い

不眠症の治療は、睡眠薬の投与もありますが、認知行動療法もあるそうです。簡単に言うと「睡眠について勉強して、思い込みを改める」ことみたいです。主に以下の3つのポイントがあるそうです。

  • 早寝

    特に高齢者に多いみたいですが、早く寝てしまうことで、逆に睡眠の質を下げている事が多くあるそうです。

    人は、歳を重ねるごとに睡眠時間が短くなる傾向があります。ただ、6時間寝ればいいという人が、睡眠は8時間寝ないと駄目だとおもい、10時に寝ても4時頃には目が覚めてしまうわけです。それで、なぜ寝れないのかと悩むわけです。

    そういう場合は、11時や12頃まで起きてから寝ると、しっかりと熟睡している感じが得られることがあります。まずは、自分は睡眠時間は何時間必要なのかを知ることから始めましょう。

    睡眠時間については、こちらの記事も参考にして下さい。「あなたの睡眠時間は大丈夫?!」

  • 長く寝床にいない

    同じように、高齢者の人に多いのが朝早く目が覚めたので、ずっと「寝床にいる」という人です。また、うとうとするならいいですが、寝れないのにずっと起きているのも問題です。夜に寝付けないのもそうですが、あまりそういう事が多いと、脳が「ベッド(布団)では寝れない」と思ってしまいます。そうなると、最悪の場合、夜の寝付きにも影響が出ます。昔は、横になるだけで休まると言われていましたが、これは肉体疲労であって、脳の疲労は睡眠でしか取れません。だらだらと、寝床にいると、起きるというスイッチが入らないので、脳はしっかり起きないようになってしまい、疲れがたまらずに睡眠に悪影響が出るという悪循環になる場合もあります。朝早く目が覚めてしまう時は、夜もう少し遅くまで起きてみるといいです。

  • 昼寝

    高齢者特に、仕事がリタイヤして昼間にすることがない人が陥りやすいのが、「長い昼寝」らしいです。夜あまり寝れていない(と思っている)から、昼寝をして取り返そうと思ったり、朝早く起きているから眠たくなるからかもしれません。ただ、昼寝は、どんなに長くても30分にしたほうがいいです。特に夕方に寝てしまうと、夜寝るための眠気がなくなってしまい、寝付けなくなる原因になります。出来るだけ運動したり、日光を浴びるなどして覚醒度を上げると、眠気を感じなくなります。

アルコールは控える

不眠で悩んでる人の3割が、眠るためにアルコールに頼るそうです。ただ、いわゆる睡眠薬代わりにアルコールを飲むのはおすすめしません。というのも、アルコールは依存性がある上に、睡眠薬代わりに飲むと、習慣になりやすくアルコール依存症になるリスクが増えます。

実は、アルコールは全く同じではありませんが、睡眠薬と似たような働きをします。睡眠薬は、医師の処方が必要ですが、アルコールは手軽で簡単に手に入ってしまうので、睡眠薬よりも厄介です。一度依存症になってしまうと、元にはなかなか元通りにはならないそうなので、一生アルコールの誘惑と戦い続けることになります。

そうならないためにも、睡眠薬代わりに飲むのはやめましょう。

アルコールと睡眠の関係について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。「アルコールの睡眠への影響と付き合い方」

 

いかがでしたか。

僕自身、不眠症については間違った理解をしていたので、番組をみて勉強になりました。今回の記事を読んで、少しでも不眠症についての理解が深まれば幸いです。

 

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