【書評記事】「8時間睡眠のウソ」の紹介

こんにちは。管理人の井口です。

今回は、日経BP社から出ている「8時間睡眠のウソ」という本を紹介します。


目次
基本情報
著者紹介
本の特徴
こういう人にオススメ
目次と簡単な内容紹介
本の感想


基本情報

  • 著者 三島和夫・川端祐人
  • 出版社 日経BP社

著者の紹介

この本は共著となっていて、著者の三島さんは国立精神・神経医療研究センター部長を勤められています。睡眠薬の臨床試験ガイドラインや使用・休薬ガイドラインなど、厚生労働省の研究班の研究員もしたことがある人です。

もう一人の川端さんは、テレビ局勤務後、独立して文筆家として活動されています。小説のほか、ノンフィクションも多数執筆されています。

本の特徴

この本は、大まかには2部構成になっています。前半は、睡眠の専門家である三島さんが、川端さんにさまざまな睡眠の知識を解説する形になっています。ところどころ、川端さんが自分の経験も合わせて補足しているので、非常にわかりやすいです。単純に読み物としてもおもしろいと思います。

後半は、三島さんが、睡眠障害や睡眠薬について解説しています。こちらは、やや専門用語が多く、すこし難しい印象です。

こういう人にオススメ

  • 科学の読み物が好きな人
  • 睡眠に興味がある人

目次と簡単な内容の紹介

睡眠の疑問10連発!

この章では、医師の三島さんに聞き手の川端さんが睡眠に関する疑問に答えています。睡眠時間など、身近な質問が多い印象です。

日本人の成人の平均睡眠時間は7時間半を中心に正規分布しており、自分がどのあたりに位置しているかというのはある程度の目安にはなります

引用:「8時間睡眠のウソ」

睡眠時間は年をとると短くなるので、成人の平均だけで判断するのは難しいと思います。個人的には30代や40代など年代別で分けた方がいいです。60歳以上は布団の中にいる時間が長いので、参考にならないかもしれないかも。

第1章 眠らなくなった日本人

この章では、日本人の睡眠は世界や昔と比べてどうなのかが詳しく説明されています。

子どもが自分で「寝不足です」と言うはずもなく、実際に混同されているケースもありそう

引用:「8時間睡眠のウソ」

そもそも、子どもは「睡眠不足」をしらないというかわからないと思います。

なので、「よく眠れた」とか「今日はあまり眠れなかった」とは言わないので、周りにいる両親や大人がきちんと眠れているかよく見てあげましょう。

たとえば 15 歳時点で、日本の子が7時間 25 分とか7時間 14 分ほどしか(別々の調査結果)眠っていないのに対して、オーストラリアの子は9時間 15 分から 30 分なのです

引用:「8時間睡眠のウソ」

睡眠時間が7時間半は20歳ぐらいの睡眠時間。15歳ぐらいだと、8時間くらいは寝たほうがいい。それから考えると、日本はもう少し寝るべきだが、オーストラリアは少し寝すぎだと思う。どんな生活をしているか知りたい。

第2章 体内時計25時間周期はウソだった

この章では、体内時計に関するさまざまなことが説明されています。

第3章 「8時間睡眠が理想」もウソだった

この章では、睡眠に関する常識のついて、実際どうなのかが説明されています。

本当に、これは誰が言い始めたのかわからないんです

引用:「8時間睡眠のウソ」

「理想は8時間睡眠」という言葉が、だれが言い出したかわからないのは意外でした。もしかしたら、専門家のインタビューなんかで、「8時間眠れたら理想なんだけどね。そんなにも眠れないんだよ」というような感じの言葉が、ひとり歩きした結果かも。もしくは、相手の人が間違って受け取ってしまったのかもしれない。

睡眠の研究をしていると、何かひとつ願いがかなうなら、睡眠が短くて済むようになりたい、と一度は考えてしまいます

引用:「8時間睡眠のウソ」

誰でも一度は考える「ショートスリーパー願望」。ただ、無理だからこそ、タスク管理や時間管理の手法がいろいろ開発されたともいえる。

ただ、ショートスリーパーは、夜の睡眠時間は短いけど、昼に長めの仮眠を摂る人が多いと言われています。そういう意味では、会社員は難しいかもしれない。

うつ病の人が不眠気味になるのは自己治癒的に断眠を自ら生じさせ、抑うつ気分を晴らそうとしているのだという説もあるくらいなんです

引用:「8時間睡眠のウソ」

そのような説があるとは驚きました。実際、うつ病の治療で眠らないことがあるそうなので、まったくの的外れでもないかもしれません。

本来、人は眠るとスッキリして元気になるのですが、うつ病の人は逆で眠ると気分が落ち込むそうです。「寝ると悪くなるのであれば寝ないといいのでは」という逆転の発想です。寝ると気分が上がる場合はしっかり寝て、気分が落ち込む場合は、睡眠は後回しで先にうつ病の治療をしたほうがいいかもしれません。

第4章 目からウロコの不眠症治療法

この章では、寝付きが悪い人や不眠症の人向けのアドバイスがわかりやすく書かれています。

第5章 属性別・眠りのアドバイス

この章では、赤ちゃんや子ども、高齢者の人向けに快眠するためのアドバイスが書かれています。

国立精神・神経医療研究センターも睡眠の治療に関して「オーダーメイド治療」を究極の目標として掲げているほど

引用:「8時間睡眠のウソ」

睡眠の勉強をして、睡眠の改善をして思うのは、睡眠は本当に個人差が大きいということです。睡眠の仕組みを理解すると、あとは試行錯誤するしかない。毎日必ず眠るから結果はすぐに出やすいけど、室温や湿度、生活習慣など関わる要因が多いので原因がなかなかわからないことも多い。だからこそ、おもしろいとも言えるけど。そういう意味でいうと、オーダーメイド理療は理想的だと思うけど、実現は難しいと思います。

3時間も寝ているのにテストでうとうとするような眠気が出るのですか、と。睡眠不足という概念がないのかと驚かされました

引用:「8時間睡眠のウソ」

これにはびっくりしました。このお母さんはショートスリーパーだったのかもしれません。ショートスリーパーは遺伝子の影響が大きいと言われるけど、子どもには遺伝しなかったかも。

第6章 健やかな睡眠のための12の指針

この章では、三島さんが策定に参加した、厚生労働省の「健やかな睡眠のための12の指針」が解説されています。

今の宇宙飛行士の6割以上が睡眠薬を常用してるんです

引用:「8時間睡眠のウソ」

無重力が睡眠に影響するかはわからないけど、ストレスにはなるかも。遠い将来、月や火星などの他の天体で生活するとなると大変かもしれません。

第7章 さまざまな睡眠障害

この章では、さまざまな睡眠障害が解説されています。

本の感想

読む前は共著の本だとは気づかなかったのですが、読んでみると噛み砕いて説明されていたり、文筆業の人の経験談も交えてあったりしてかなりわかりやすかったです。反面、後半の医師のパートが読みにくく、少し残念でした。

 

いかがでしたか。

今回は、「8時間睡眠のウソ」という本を紹介しました。読み物としても面白く、睡眠の知識も得られて、一石二鳥の本です。睡眠に興味があれば呼んでみてはいかがでしょうか。

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