「スタンフォード大学教授が教える熟睡の習慣」の紹介

今回は、PHP新書から出版されています「スタンフォード大学教授が教える熟睡の習慣」という本を紹介します。


目次
基本情報
著者の紹介
本の特徴
こういう人におすすめ
目次と簡単な内容の紹介
本の感想


基本情報

著者 西野精治
出版社 PHP新書
定価 900円+税

著者の紹介

この本は、ベストセラーになった「スタンフォード式最高の睡眠」の著者である、西野精治先生が書かれた本です。西野先生の紹介は、「スタンフォード式最高の睡眠」の記事を御覧ください。
「スタンフォード式最高の睡眠」の書評記事はこちら。「『スタンフォード式最高の睡眠』の紹介」

本の特徴

上にも書きましたが、この本はベストセラーになった「スタンフォード式最高の睡眠」の著者の西野精治先生が、睡眠全般について書かれた本です。睡眠の仕組みや快眠できる環境の作り方、睡眠障害についてや睡眠薬の基礎知識についてまで、幅広く書かれています。そのため、新書ながら、280ページと結構ボリュームがあります。また、内容も結構専門的なことが書かれています。なので、「ベストセラーの先生だから」と軽い気持ちで読むと、難しくてついていけなくなる可能性もあるので気をつけてください。

こういう人におすすめ

  • 睡眠に興味がある人
  • もう少し専門的な知識が欲しい人

目次と簡単な内容の紹介

はじめに

第1章 間違いだらけの睡眠常識

この章では、一般的に言われている睡眠の知識で、注意したほうがいいことが書かれています。気になった箇所は、

「大事なのは『90分周期』ではなく、むしろ『正常な睡眠パターンをいかにキープするか』ということなのです。」

「睡眠についてわかっているのは、まだ全体の10%にも満たないのではないかと私はおもっています。」

引用:「スタンフォード大学教授が教える熟睡の習慣」

昔から、睡眠時間を90分周期で考えると、目覚めがスッキリすると言われています。しかし、スマホのアプリで睡眠を測ってみるとわかりますが、睡眠の深さの波形は一日として同じにはなりません。「90分」という数字も平均値であり個人差があります。なので、90分でこだわると失敗します。

本にも書かれている通り正常な睡眠パターンをキープすればいいのですが、はっきり言って「無理」(笑)です。というのも、睡眠は「寝てみるまでわからない」からです。しっかり深く眠れるか、何時間寝るか。寝てみないとわかりません。日々、試行錯誤と工夫して、自分なりの快眠習慣を作り、快眠できなくてもすぐに原因がわかるようになると、睡眠が面白くなります。

下の言葉ですが、睡眠の研究が本格的に始まったのがつい最近です。レム睡眠が発見されたのが1953年です。まだ60年くらいしか経っていません。なので、10%くらいしかわかってないというのもわかる気がします。しかし、世界最先端のスタンフォード大学の教授が言うと凄みがあります。

第2章 「睡眠負債」をいかに解消するか

この章では、快眠するために知っておくべき、睡眠の仕組みや知識について書かれています。後ろの方には、西野先生が考案した目覚まし法「タイム・ウインドウ・アラーム」が紹介されています。これは、ガッテンで西野先生が出演されていたときに提案されていた「時間差でアラームを鳴らす」方法です。

気になった箇所は、

「やはりある程度の時間眠らないことには、睡眠負債は改善しません。『量』と『質』、どちらも確保されなければダメなのです。」

「スヌーズ設定は、すっきりとした目覚めにはよくありません」

「黒柳徹子さんが睡眠の取り方について語っている記事を読んだことがあります。(中略)夜10時に一旦就寝して、夜中の2時頃に起き、(中略)朝5時頃に寝て、午前10時頃に起きる生活をするように変えてみたところ、非常に調子がいいのだそうです」

引用:「スタンフォード大学教授が教える熟睡の習慣」

ぐっすり眠りたいと考えて、本を読んだりして勉強する人もいると思います。中には、「『質』を確保すれば、『時間』は短くてもいい」と考える人もいるかも知れませんが、本にも書かれてある通り、間違いです。理由はレム睡眠が取れなくなるため。

レム睡眠は、実験で人には必要不可欠な睡眠であることがわかっています。レム睡眠が不足すると、軽度の場合は頭が重く感じますが、重度になると幻覚や幻視が見えるようになります。そこまで行かなくても、体はノンレム睡眠を削ってもレム睡眠を確保しようとするので、睡眠の質が結局おちてしまいます。必要な睡眠時間は人それぞれ、無理してショートスリーパーを目指すと、手痛いしっぺ返しがくるかも。

寝坊が怖くてスヌーズ機能を使っている人もいるともいます。ですが、スヌーズ機能を使っているといつまで経っても、スッキリ起きれません。

人は起きるときにコルチゾールというホルモンが大量に分泌されます。このホルモンの働きで、体温が上がり、血圧が上昇することで起きるわけです。コルチゾールの分泌する時間は、体内時計で決まっています。スヌーズ機能を使っていると、体がいつ起きるかわからなくなるため、コルチゾールの分泌するタイミングがずれていまいます。

目覚めを良くしたいなら、スマホの睡眠アプリを使うかこの章に書かれたる、西野先生考案の「タイム・ウインドウ・アラーム」法をオススメします。

黒柳さんの睡眠法は「分割睡眠」と呼ばれる方法です。高齢になってくると、メラトニンの分泌量が減ってきます。メラトニンは睡眠状態の維持の作用があるため、途中で目が覚めやすくなります。そこで、無理して寝ようとすると、眠れないことでストレスを感じて余計に眠れなくなる可能性があります。なので、いっそのこと目が覚めたら、一度起きて眠たくなったら眠るということです。少し前のテレビでも、同じように分割睡眠を実践している人が紹介されていましたが、高齢者だったら試してみるのもアリです。ただ、まだ働いていて朝起きなければいけない人には難しいかもしれません。

第3章 生体リズムが熟睡のカギ

この章では、睡眠の仕組みの観点から、快眠できるコツが書かれています。

第4章 「仕事中の眠気」の恐るべきリスク

この章では、睡眠時無呼吸症候群や交代勤務、いわゆるアフタヌーン・ディップと呼ばれる昼間の眠気など、昼間、特に仕事中の眠気に関する事が書かれています。気になった箇所は、

「日本で睡眠専門のクリニックを開いている医師の方たちに聞いたところ、患者さんの7,8割が睡眠時無呼吸症候群だそうです。」

引用:「スタンフォード大学教授が教える熟睡の習慣」

睡眠時無呼吸症候群に関する記述ですが、ある意味仕方ない気もします。というのも、まず、睡眠専門のクリニックが基本的に数が少なく、その上様々な睡眠障害があまり知られてないからです。その病気を知らないと患者さんは疑うことができないので、病院に行こうとは思わないでしょう。睡眠時無呼吸症候群は、事故のニュースで有名になりましたし、いびきで家族が迷惑するため、気づきやすいかもしれません。逆に一人だと気づきにくいかもしれないので注意が必要です。

第5章 女性、子供、高齢者のための睡眠常識

この章では、女性、子供、高齢者という観点から睡眠が書かれています。ただ、快眠できる方法というより、睡眠不足の影響などが書かれてます。気になった箇所は、

「『注意欠陥多動性障害だと診断されていたけれど、実は睡眠時無呼吸症候群があって、その治療をしたところ、障害と見られていた症状が改善した』という症例も数多く報告されています。」

「高齢者でも夜型になるのです」

引用:「スタンフォード大学教授が教える熟睡の習慣」

このブログでも、朝日新聞の記事を紹介しましたが、子供でも睡眠時無呼吸症候群になることがあります。「寝る子は育つ」という言葉がある通り、睡眠に問題があると心身の成長に支障が出やすいので注意が必要です。睡眠時無呼吸症候群だと、なかなか起きなかったり、機嫌が悪かったりするそうです。それが、障害と間違ったのだと思います。

子供の睡眠時無呼吸症候群については、こちらの記事を参考にしてください。「朝日新聞の『患者を生きる』を解説してみた③『子供の無呼吸』」

歳を取ると朝型になるというのが普通ですが、夜型にもなるそうです。理由は「布団の中でダラダラ過ごし、日中もボーっとしてあまり動かないと、眠たくならないため夜眠くなるのが、遅くなるため」だそうです。

問題は、高齢者になると老化で体内時計のリセット機能が落ちるため、一度夜型になるとなると修正が難しいかもしれません。よく、規則正しい生活をしましょうといいますが、若い人よりも高齢者のほうが重要なことかもしれません。

第6章 熟睡できる環境のつくり方

この章では、ベッドのマットレスや布団、パジャマなど、寝る時の環境に関することが書かれています。気になった箇所は、

「タオルケットは和製英語で、今は欧米にも『バスシーツ』といって、タオル素材のものもありますが、もともと海外にありませんでした。」

「アメリカの生活に慣れきっている私は、日本に帰ってくると色んな所で『眩しいなあ!』と感じます」

引用:「スタンフォード大学教授が教える熟睡の習慣」

タオルケットについては雑学的なことですが、なるほどと思いました。海外は日本よりも涼しくて乾燥しているイメージなので、あまり必要がなかったのかもしれないですね。

つい先日、西野先生本人がガッテンに出演されたときに、ご自身の睡眠や夜の過ごし方が紹介されてました。なんでも、夜は、照明を暗くして何も考えないようにするそうです。ヨーロッパでも、バカンス等で砂浜でボーッとする文化があります。ですが、日本人はなんかボーッとすることが苦手だと思います。メリハリが下手や人の目を気にする国民性というのもあると思います。そのせいか、夜寝る前までテレビを見たりして過ごしがちです。睡眠のことだけを考えるなら、せめて30分位は西野先生のように暗くして、リラックスして過ごすと寝付きも良くなるのでおすすめです。

第7章 「睡眠障害」について知っておきたいこと

この章では、様々な睡眠障害の基礎知識が書かれています。書かれてあるのは、「睡眠時無呼吸症候群」「レム睡眠行動障害」「むずむず脚症候群」「ナルコレプシー」、あと、子供に関する睡眠障害も少し書いてあります。

第8章 「睡眠薬」との賢いつきあい方

この章では、睡眠薬に関する基礎知識と上手なつきあい方が書かれています。気になった箇所は、

「じつは、飲酒の酩酊状態とノックダウン型の睡眠薬の作用機序はよく似ているのです。」

引用:「スタンフォード大学教授が教える熟睡の習慣」

簡単に言うと「アルコールは初期の危険な睡眠薬とよく似ている」ということです。睡眠薬とアルコールの関係は、僕も様々な本を読んで「同じじゃないのかな」と考えていました。なので、やっぱりそうなのかと納得しました。

今でもあるかどうかはわかりませんが、よく大学の飲み会等で一気飲みをやらせることがありましたが、そういう行為もものすごく危険だなと思いました。

おわりに

本の感想

ベストセラーの西野先生の本だと買う人も多いと思いますが、僕もそうでした。ちゃだ、読むとボリュームと専門的な内容に驚き、非常に参考になりました。アルコールと睡眠薬との関係は、個人的には「間違ってない」と思っていたのですが、この本の記述で、「やっぱり」と確信できました。新書よりも単行本として出したほうがよかったかも、というのが個人的な感想です。価格は高くなってしまうけど。

いかがでしたか。

ボリュームがあって内容も充実している本ですが、説明がやや専門的なので読む人を選ぶかもしれません。いろいろな睡眠の本を読んできて、もう少し難しい本にチャンレンジしたい人は、読まれてはいかがでしょうか。