朝日新聞の「患者を生きる」を解説してみた③「子供の無呼吸」

こんにちは、管理人の井口です。

朝日新聞の生活面の連載記事「患者を生きる」の解説シリーズ。今回は、「子供の無呼吸」です。

無呼吸症候群といえば大人の病気と思うかもしれませんが、子供もかかることがあります。詳しくは、本文で触れますが、子供の場合、大人ほど日中の眠気は感じないようです。そのため、子ども本人は気づきにくいようです。今回は、そんな子供の無呼吸の特徴を記事の内容を交えながら紹介していきます。

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目次
原因はアデノイドや扁桃腺の肥大
2歳から6歳の間で発症することが多い
治療は多くは手術、経過観察の場合もある
子どもの無呼吸症候群の特徴


原因はアデノイドや扁桃腺の肥大

大人の無呼吸症候群は肥満等による脂肪で喉の空気の通り道が塞がって起きますが、子供の場合は鼻の奥にあるアデノイドというところか喉のところにある扁桃腺が肥大することによって起きます。子供の場合もいびきをかきますが、当然呼吸がしにくいので夜中に頻繁に寝返りを打ちます。記事で紹介されていた子もそうですが、中には座った状態で眠る子もいるようです。その他の原因としては、顎が小さい場合、気道が塞がりやすいため無呼吸症候群になるケースもあるそうです。これは、大人と同じです。

2歳から6歳の間で発症することが多い

発症する年齢は、だいたい2~6歳が多く男女差はないようです。アデノイドや扁桃腺は、5~6歳頃まで大きくなるため、小学校に上がる頃が一番ひどくなります。1日、2日くらいなら問題ないですが、週に半分以上いびきをかいて寝ていたら問題なので、一度小児科を受診したほうがいいと思います。

治療は多くは手術、経過観察の場合もある

治療は、多くの場合、肥大しているアデノイドや扁桃腺を切除する手術になります。記事によると、全身麻酔による手術で、大体7~10日間の入院になるようです。ただ、3歳未満では、麻酔による合併症のリスクがあるので、小児の専門病院で受けるのが一般的だそうです。3歳以上はリスクが減るので普通の病院でも受けられます。ただ、アデノイドや扁桃腺は5~6歳以降は自然に小さくなるため、経過観察になることもあるようです。専門家によってはいびきは収まっても影響が残るという人もいます。主治医の先生とよく相談して決めたほうがいいと思います。

子どもの無呼吸症候群の特徴

大人と違い子供の無呼吸症候群は様々な特徴があります。

  • 眠気を感じない

    一般に子供の場合、日中はあまり眠気を感じないそうです。これは、恐らく大人よりも子供のほうが長く深く寝るためだと思います。もちろん、しっかりと寝ているわけではないので寝起きが悪かったり、イライラする事が多かったりします。

  • 声が低い

    鼻の空気の通り道が狭いので、一日中鼻声で話している感じになります。記事のケースでは、いびきかきだしたのが少し早く1歳半からだったみたいなので、言葉を話すようになった頃には、すでにアデノ扁桃によって狭くなった状態だったようです。なので、治った後声が高くなり驚いたと書いてありました。

  • 成長が遅い(体が小さい)

    睡眠中は体の成長を促す成長ホルモンが多く出ます。体が成長段階にある子どもの頃に多くが出ますが、無呼吸で睡眠が浅いと分泌量が減ってしまい、体の成長に支障が出ます。そのため、体が他の子と比べて小さくなってしまいます。

  • 食べるのが遅い

    鼻の通り道が狭く鼻呼吸がしにくいので、当然口呼吸が多くなります。そのため、食べるのが遅くなりやすくなります。また、記事ではうどんやそばなどのすするのが苦手だったみたいです。これも、鼻呼吸がしにくいので口を閉じたまま食べることが難しいからだと思います。また、「治ったことで食べるのが好きになった」と書いてありました。これは、鼻の通りが悪いため料理の匂いがわからなかったからだと思います。味覚は舌で感じますが、嗅覚の情報も結構重要です。よくテレビで目隠しをしてどちらが高級品か当てるゲームがありますが、あれと同じような感じだと思います。何を食べても「甘い」「辛い」「苦い」「しょっぱい」「酸っぱい」くらいしかわからなければ、食べることに興味がわかないのも無理はないでしょう。もちろん、食べる量にも影響するため、上にも書いた成長のスピードにも影響が出てしまいます。

  • 風邪を引きやすい

    しっかりと寝ることが難しいので、免疫に影響が出て風邪を引きやすくなってしまいます。体が小さく体力も普通のこどもと比べると低くなりやすいため、風邪が治りのも時間がかかると思います。風邪は基本的に寝ないと治らないので、睡眠に支障があると健康管理にも影響が出ます。

    睡眠と風邪との関係については、こちらの記事もどうぞ。「風邪の一番の薬は睡眠?!」

  • 口臭がある

    これは、鼻の通りが悪いため口呼吸にならざるを得ないために起こります。本来、口の中は唾液が出るので乾燥することはないですが、口呼吸だと、口の中が乾燥します。そのため雑菌が繁殖しやすく、その影響が口臭となって現れるそうです。また、これは想像ですが、もしかすると虫歯にもなりやすいかもしれません。雑菌の中には虫歯の菌も入っている思うので、ちゃんと歯磨きをしていたら大丈夫かもしれませんが、少なくとも他の普通の子供よりはなりやすいと思います。

    記事で紹介されていたお子さんは中耳炎にもかかっていたのですが、これも、肥大したアデノイドが原因だったみたいです。そのため、耳の聞こえも若干悪かったようです。

いかがでしたか。

子供の場合、日中に眠くならないので子ども自身気づかないことが多いみたいです。ただ、満足に眠ることができないので、放っておくと体の成長や勉強にも影響が出ます。もし、子供がいびきをかいて寝ていたら、放っておかずに様子をみて睡眠時無呼吸症候群かもしれないと思ったら、一度小児科の医師に相談しましょう。

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