朝日新聞の「患者を生きる」を解説してみた②「ナルコレプシー」

こんにちは、管理人の井口です。

朝日新聞の生活面の連載記事「患者を生きる」の解説シリーズ。今回は、「ナルコレプシー」です。

ナルコレプシーは、日本語では「居眠り病」とも呼ばれていて過眠症の一種です。世間での認識も高くないことから、ナルコレプシーの患者さんはとても肩身が狭い思いをすることが多いことが記事からもわかります。今回は、あまり世間で知られていないナルコレプシーの基本的な知識を、記事の内容と共に紹介していきます。

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■【まとめて読む】患者を生きる・眠る「ナルコレプシー」 千葉県の駒沢典子(こまざわ・のりこ)さん(49)は、小学生のころから突然、激しい眠気に襲われることがありました。ある日、学校でのふとした出来事か…

目次
ナルコレプシーの特徴的な症状は2つ
殆どが思春期に発症する
原因はオレキシンの不足や減少
薬を服用すれば日常生活に支障は出ない
夜の睡眠にも影響が出る
太りやすくなる可能性がある


ナルコレプシーの特徴的な症状は2つ

ナルコレプシーには、特徴的な症状があり、それが以下の2つです。

  • 睡眠発作

    睡眠発作とは、「いきなり眠ってしまうこと」です。日中に耐え難い眠気に襲われて眠ってしまいます。それが、退屈しているときばかりではなく、緊張していて普通なら眠りそうにないというときでも起こるそうです。

    ここで、前回紹介した睡眠時無呼吸症候群じゃないかと思われるかもしれません。ナルコレプシーの睡眠発作と睡眠時無呼吸症候群のような極度の睡眠負債の蓄積による居眠りの違いは、「夢を見るかどうか」です。

    ナルコレプシーの特徴の一つに「入眠時幻覚」というのがあります。これは、簡単に言うと「眠ってすぐに夢を見る」ということです。通常の睡眠の場合、眠り始めは深いノンレム睡眠になり、レム睡眠は睡眠の後期に多く出ます。ですが、ナルコレプシーの場合、寝てすぐにレム睡眠になります。記事で紹介されていた女性の人の場合、学生時代に授業中に寝てしまい、先生に当てられて夢の内容を答えてしまった事例が紹介されていました。睡眠負債が蓄積している場合は、普通と同じように眠るとノンレム睡眠になるので夢は見ません。夢を見るかどうかが一つの目安になると思います。また、睡眠負債が溜まっていたら、起きたときは睡眠惰性が働いてしばらく頭がボーとしますが、ナルコレプシーの場合は20分くらいの睡眠でも頭がスッキリするそうです。

  • 情動脱力発作

    情動脱力発作は、例えば怒ったり、笑いのツボに入って大笑いしたりするときなど、感情の動きが大きくなると力が抜けてしまう発作です。本人の意識はあって力が入らなくなるだけです。上記の睡眠発作は、ナルコレプシーの患者さんの殆どがありますが、この情動脱力発作はある人とない人がいるみたいです。また、記事で紹介されていた人のように始めはなくても、成長する過程で発作が出るようになる人もいるみたいです。

殆どが思春期に発症する

ナルコレプシーはほとんどが、思春期の頃に発症するケースが多いそうです。記事で紹介されていた人も中学生の頃に発症していました。個人差もありますが、だいたい10代半ばから30代半ばまでの間で発症する事が多く、女性よりも男性の方が多いそうです。ただ、記事で紹介されていた患者さんもそうでしたが、ナルコレプシーは世間的に認知度が低いため、親に相談しても怠け者だと思われてしまう事が多く、周りの理解が得られずに肩身が狭い思いをする人が多いみたいです。

原因はオレキシンの不足や減少

ナルコレプシーは患者数が多くないので原因等はわかっていません。ですが、最近の研究でオレキシンというホルモンが原因の一つではないかと言われています。オレキシンは、覚醒と摂食行動に関わるホルモンで、簡単に言うと「お腹がへると目が覚める」ためのホルモンです。よくお昼ごはんを食べた後に眠くなりますが、あれはお昼を食べて血糖値が上がったため、オレキシンの分泌量が下がったことが原因の一つです。ナルコレプシーの患者さんは、このオレキシンが少なかったり、また全く出なくなっているそうです。ただ、情動脱力発作がない場合は当てはまらなかったり、発症するメカニズムもよくわかっていません。それらは、今後の研究に期待したいところです。

薬を服用すれば日常生活に支障は出ない

先程も書いたとおり、ナルコレプシーはまだ原因がはっきりとわかっていません。なので、治療は薬による対症療法にならざるを得ません。睡眠発作には脳の覚醒度を上げる薬を、情動脱力発作には神経の働きを良くする薬を処方されるみたいです。それらの薬を飲んでいれば日常生活は問題なく送れるみたいです。現在、オレキシンと同じ働きをする「オレキシン受容体作動薬」がいくつかの製薬会社が研究中だそうです。もし、完成して服用すればナルコレプシーの病状も回復することが期待されますので、早く完成して認可を出してほしいですね。

夜の睡眠にも影響が出る

ナルコレプシーは、過眠症のひとつなので夜の睡眠もしっかり眠れていると思うかもしれませんが、多くの場合、2~3時間で目が覚めてしまう場合が多いそうです。これは、ナルコレプシーという病気の本質が「よく眠る病気」ではなく、「脳を起こし続けることができなくなる病気」だからだと思います。

人は、夜しっかり眠るためには、最低8時間は起き続ける必要があると言われています(睡眠負債が溜まっている場合は話が別です)。なので、例えば帰りの電車で居眠りをしてしまうと夜眠くならなくなるのは、居眠りをしてしまったせいで眠気の素の睡眠物質が減ってしまうからです。ナルコレプシーの場合は、オレキシンがないために脳を覚醒させる力が弱くすぐに眠くなってしまいます。つまり、すぐに眠たくなって眠ってしまうために、夜長時間眠るほどの睡眠物質が貯めることが難しいというわけです。

太りやすくなる可能性がある

これは、記事で初めて知りましたがナルコレプシーになると代謝が落ちて太りやすくなる人がいるみたいです(個人差もあると思います)。記事で紹介されていた患者さんは、胃を半分切除する手術までうけています。ダイエットしてもあまり痩せなかったりしたみたいです。これは、ナルコレプシーは、脳を覚醒させる力が弱いため、すぐに脳が働かなくなります。いくら薬でカバーしても限界があるということでしょう。もしかしたら、先程も書いた「オレキシン受容体作動薬」を服用すると、改善するかもしれません。そういう意味でも、早く完成してほしいところですね。

いかがでしたか。

今回の記事を読んで、ナルコレプシーが少しでも理解できたら幸いです。ただ、僕は専門医ではないので、「もしかしたら自分も」と思った方は、専門医の診察を受けることをおすすめします。