「命を縮める『睡眠負債』を解消する科学的に正しい最速の方法」の紹介

今回は、祥伝社から出版されている「命を縮める『睡眠負債』を解消する科学的に正しい最速の方法」という本を紹介します。


目次
基本情報
著者の紹介
本の特徴
こういう人におすすめ
目次と簡単な内容の紹介
本の感想


基本情報

著者 白川修一郎  
出版社 祥伝社 
定価 1500円+税 

著者の紹介

著者の白川さんは、日本の睡眠研究のパイオニアであり第一人者でもあります。睡眠評価研究機構代表、日本睡眠改善協議会理事長、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所客員研究員、江戸川大学睡眠研究所客員教授など睡眠関連の役職をいくつも持っておられます。また、NHKのガッテンやNHKスペシャルなどのメディアにも出演して、科学に基づく正しい睡眠習慣を解説されています。

本の特徴

この本は、大きく3つに分かれています。1つ目が睡眠の仕組みや睡眠の役割などの解説。2つ目が、「睡眠負債が溜まると健康にどのような影響を及ぼすか」ということが、詳しく書かれています。3つ目が、快眠するコツがかかれています。どの部分も「広く浅く」網羅的に書かれている所があるので、内容はあまり詳しくありません。ただ、予備知識がなくても大丈夫かというと、ちょっと難しいかなと言う印象です。ちなみに、題名には最速の方法と書かれてあるため、なにか特別な方法があるかと思ってしまいますが、そんな方法は書かれていません。恐らく、売るために編集者の人が考えた題名かもしれません。

こういう人におすすめ

  • 睡眠に興味があり、もう少し詳しく知りたい人
  • 睡眠の本を読んだことがある人

目次と簡単な内容の紹介

Prologue 「眠りの借金」を増やして続けている日本人

Chapter1 睡眠とは何なのか

この章では、睡眠の仕組み等睡眠そのものの説明がされています。時差ボケや夢についての説明もあります。気になった箇所は、

「メラトニンは、本来性腺(女性における卵巣、男性における精巣)の発達を抑制するホルモンです」

引用:「命を縮める『睡眠負債』を解消する科学的に正しい最速の方法」

メラトニンは、睡眠ホルモン(入眠ホルモン)と呼ばれるだけあって睡眠を知る上で欠かせないホルモンです。ただ、そもそもの役割は上の文章らしいです。ただ、メラトニン自体は、多くの動物の体にあるので、全部が全部同じ役割じゃないのかもしれません。ちなみに、メラトニンは夜に分泌されますが、夜行性の動物でも同じように夜にメラトニンが分泌されるらしいです。

「小さな子供では、プロセスCの影響が成人よりも極めて強く働きます」

引用:「命を縮める『睡眠負債』を解消する科学的に正しい最速の方法」

プロセスCというのは、体内時計のことです。つまり、「小さい子供は、体内時計の影響が大人よりも大きい」ということです。ただ、気をつけてほしいのは子供は大人よりも光の感受性が大きいと言われます。なので、「夜に明るいところにいるとそれだけ夜更かしをしやすい」といえます。今は、小学生でもスマホを持っている時代なので、ブルーライトの影響で寝るのが遅くなりやすいかもしれません。

Chapter 2 「睡眠負債」はこれだけキケン!

この章では、睡眠不足や睡眠負債による健康の影響について詳しくかかれています。他の本では、あまり書かれていない美容に関する記述もあります。気になった箇所は、

「日本の大学生の睡眠時間の短さは男女ともにトップ」

引用:「命を縮める『睡眠負債』を解消する科学的に正しい最速の方法」

これは、世界でもトップクラスだということです。そもそも大学生の頃は、体内時計が夜型化になりやすいといわれています。夜遅くまで起きやすいので、睡眠時間は短くなりやすいです。もしかしたら、親元から離れて一人暮らしをする人が多いからなのかもしれません。

「睡眠には、嫌な記憶を消去してストレスを軽減、或いは発散させる働きがある」

引用:「命を縮める『睡眠負債』を解消する科学的に正しい最速の方法」

よく嫌なことがあると寝て忘れると言われますが、科学的に見ても正しいです。

深いノンレム睡眠は、不必要な記憶を消去する役割があるので、しっかり深く眠れていると記憶が薄れてくるのでストレスが軽減されてきます。また、稀にですがレム睡眠で見る夢で記憶の解釈が変わるということもあります(例えば、現実では上司に反論したこともないが、夢の中では反論している等)。

なので、睡眠をしっかり取ることはストレスマネジメントにおいても重要です。ただ、うつ病になると、眠っても気分が回復しないと言われています。逆に悪くなる場合もあります。なので、その場合は睡眠の改善と並行してうつ病の治療を行う必要があります。鬱かなと思ったら、医師の診断を受けたほうがいいです。

「日本では、特に中枢神経変性疾患(脳や脊髄にある中枢神経細胞の中で、認知機能の細胞が障害を受けて、機能しなくなるアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症など)と血管性認知症(脳梗塞や脳出血などによって発症する認知症)と呼ばれるタイプが大多数を占めています。」

引用:「命を縮める『睡眠負債』を解消する科学的に正しい最速の方法」

昔は、アルツハイマー型やレビー小体型よりも血管性のほうが多かったらしいです。ただ、最近はアルツハイマー型だけでも6割近くを占めています。

アルツハイマー型やレビー小体型の原因と思われる物質は、睡眠で取り除くことが出来る事がわかっています。ただ、アルツハイマー型の場合は、発症するまで30年かかると言われています。

発症してからは遅いので、若い頃からしっかりと眠ることが重要だということです。認知症と睡眠の関係については、こちらの記事もどうぞ。「睡眠は認知症予防になる?!」

Chapter 3 「睡眠負債」を最速で解消する!

この章では、快眠するコツが多く紹介されています。ベッド等の家具からパジャマ、部屋の温度に至るまで網羅的に書かれています。その分、それぞれの説明は詳しくないので注意してください。気になった箇所は、

「ベッドマットや布団の下に敷いて体動と心拍数や呼吸数を計測し、睡眠履歴を表示してくれるシート型センサーなども販売されています」

引用:「命を縮める『睡眠負債』を解消する科学的に正しい最速の方法」

ちょっと調べてみたら、高齢者や介護用に開発されているみたいです。

スマホやタブレットのアプリだと心拍数の測定はできないのでレム睡眠はわかりません。腕時計型だとレム睡眠も測定できますが、着けていていつも通りの睡眠ができるか疑問があります。

その点、マット型だと正確な記録ができそうですが、高そうです。ただ、普通の人はスマホのアプリで十分だと思いますが。

「性別差については、男性よりも女性の方が暖かめの温度を好む傾向があります」

引用:「命を縮める『睡眠負債』を解消する科学的に正しい最速の方法」

これは、快眠できる温度についての記述ですが、女性の場合は冷え性の人も多いので、その影響もあるかもしれません。

本の感想

この本は、もちろん睡眠の勉強のために買ったのですが、実を言うと題名に釣られて買ったことは否めません。ただ、書いている内容は専門的なことも含めて分かりやすく書かれてあるので、大変参考にはなりました。ただ、特にChapter1の睡眠の仕組みの説明などはやや専門的な内容なので、予備知識がないと少し難しいです。

いかがでしたか。

この本は初級者向けと言うより中級者向けだと思います。別の本で睡眠について学んでいたら、わりとすんなり理解できると思います。読む人は若干選ぶかもしれませんが、もう少し睡眠について詳しく知りたいという方は一度読んでみてはいかがでしょうか。