睡眠の観点から考える自粛生活の過ごし方のポイント

こんにちは 管理人の井口です。

今回のテーマは「自粛生活」です。

今、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、自粛生活が続いています。今までの生活とは勝手が違うので戸惑っている人も多いでしょう。コロナにかからないために自粛しているわけですが、そもそも新型コロナウイルスはまだ治療法や薬がないので、個人の免疫力頼みのところがあります。免疫力の維持や向上には深い睡眠が大事です。(睡眠と免疫力の関係について知りたい方は、こちらの記事をどうぞ『睡眠と免疫力 知れば納得の関係』)しかし、自粛生活では注意していないと睡眠が浅くなってしまう可能性があります。そこで今回は、睡眠の観点から自粛生活の過ごし方のポイントを書いていきます。


目次
重要なのはストレスをためないこと
自粛生活を送る上で気をつけるべきこと
運動するなら夕方がベスト
入浴は寝る1時間前に上がるようにする
今後、先の事で心配で寝付けない場合


重要なのはストレスをためないこと

自粛生活で最も大事なのは、ストレスをためないことです。ストレスは体に悪いということは、誰しもが知っていることですが、もちろん睡眠にもよくありません。ストレスがたまるとなかなか寝付けなくなりますが、睡眠の質も悪くなります。というのも、ストレスがたまるとレム睡眠が増えるため、相対的にノンレム睡眠が減ってしまいます。そのため、免疫力が下がってしまいます。

なぜレム睡眠が増えるかというと、レム睡眠時に見る夢がストレスを緩和する働きがあります。実際にシカゴ大学のメディカルセンターのロザリオ・カーロント氏が行った実験では、精神疾患の患者の夢が明るいものに変化したそうです。また、うつ状態の人も時間が経つにつれて快方に向かったそうです。なので、普段の生活でストレスが多いと、体は少しでもストレスを減らそうと夢を多く見るようになります。そのため、レム睡眠が増えてしまうわけです。

ちなみに、アメリカの心理学者のホームズとレイと言う人が発表した「社会的最適評定尺度」というものがあります。これは、家族や配偶者の死を100とした場合のストレスを数値化したものです。これによると、離婚や別居などは数値が高いのですが、「結婚」や「新しく家族が増える」、「休暇」などもストレスになるみたいです。恐らく、いつも通りの日常が変わるというだけでもストレスになるのだと思います。まして、慣れないテレワークや休校で子供が家にいたりする自粛生活では、ストレスは溜まって当たり前だと思います。だからといって、ほっとけば睡眠の質が下がりことで免疫力が落ちてしまうかもしれません。なるべくストレスをためないようにしましょう。

自粛生活を送る上で気をつけるべきこと

僕が考える自粛生活を送る上で今日つけるべきポイントは以下の三つです。

  • 1日の予定を立てる

    一つ目が「一日の予定を立てること」です。職場等が休みになり時間が有り余ってる人もいるかと思います。しかし、ヒトは基本的に楽な方に流れがちです。人によるかもしれませんが、1日だらだら過ごして「何もしなかった」と落ち込むことが一番のストレスかもしれません。

    ただ、予定を立てずにやろうとすると、失敗する可能性が高いです。なぜなら、心理学の実験によると、意志の力だけで行動を起こすのは、どんなに意志が強い人でも50%の確率で失敗するそうです。まして、職場や学校と違い、家というのはテレビや本など誘惑が多いです。つい、誘惑に負けてしまい、結局「何も出来ずに時間だけが過ぎてしまう」かという状態になってしまいます。

    また、日中にだらだら過ごすと睡眠の質が悪くなる傾向があるという実験結果があります。

    これは、ジョギングをする人と単純作業だが集中する必要がある作業をする人と特に何もせずにのんびり過ごす人に分けて、睡眠の状態を比較した研究です。それによると、体や頭を使った人は、まとまったノンレム睡眠が出たのに対し、のんびり過ごした人はノンレム睡眠がバラバラに分散になったそうです。

    もちろん、体がしんどかったりして体調に問題があるのであれば、のんびり過ごすことも必要ですが、体が元気なのに動かないというのはあまり良くないということなんだと思います。

    きっちりとした予定は無理でも、「今日はこれとこれをしよう」というふうに、ToDoリストを作って生活するだけでも違ってくると思います。だらけた毎日を送らないように気をつけてください。

  • 規則正しい生活をする

    上記の項目とかぶりますが、「規則正しい生活をすること」も重要です。

    というのも、今の所、自粛生活がいつまで続くかわかりません。なので、気を抜いてしまいがちですが、一度、夜ふかしや朝起きるのが遅い生活習慣が定着してしまうと、元に戻すのは大変です。体内時計そのものはすぐにもとに戻りますが、体温のリズムがもとに戻るには2週間から3週間はかかるため、以前の生活習慣に戻しても以前通りにはなるのに時間がかかります。これは、よく子供が夏休みで生活習慣が崩れて、新学期が始まってもなかなか元に戻らないケースと同じです。

    ただ、自粛生活の場合はストレスも関わってきます。僕は、専門医ではないので詳しくはわかりませんが、もしかすると睡眠障害の一つである「概日リズム睡眠・覚醒障害」になるかもしれません。この病気は、簡単に言うと「体内時計のズレが大きくなって、生活に支障が出る状態」です(詳しくはこちらの記事を参考にしてください。『朝日新聞の「患者を生きる」を解説してみた⑤「睡眠相後退症候群」』)。いつ、学校や仕事が再開してもいいように、規則正しい生活を心がけてください。

  • 趣味・気晴らしの方法を複数持つ

    多くの人が、空いた時間に趣味や気晴らしをしていると思います。ですが、僕は個人的には、趣味や気晴らしの方法は複数持った方がいいのではないかと考えています。

    というのも、人間というのは慣れや飽きる動物です。また、睡眠不足だと余計に飽きやすくなります。これは、睡眠が不足して脳の疲れが取れていないため、脳がすぐに疲れてしまうからです。もちろん、まだ仕事がある人や本当に好きなことをやってる人は、時間が短かったり刺激が多いので飽きにくいですが、そうでない人は一つのこと毎日やっていると飽きてくると思います。まして、今の自粛生活はいつまで続くかわからないので、次第にやりたくなくなるかもしれません。そうなると、毎日が苦痛になってしまいます。そうなる前に、飽きないようにする工夫が必要です。

    ただ、複数持つと言っても、全く違うものを探す必要はありません。例えば、「TVを見る、ラジオを聞く、本を見る」というのでもいいでしょうし、TVと映画の組み合わせ、本を読むのなら違うジャンルにする、または「オーディオブックを試してみる」でもいいでしょう。要は「好きなことのバリエーションを少し増やしましょう」ということです。

    せっかく時間があり好きな趣味に打ち込んでいるのに、飽きてやめてしまうとただでさえストレスが溜まりやすい自粛生活が、更に苦痛になってしまいます。そうならないためにも、趣味や気晴らしの方法は複数持ち、飽きないようにしましょう。

  • 出来ないことよりも出来ることに意識を向ける

    自粛自粛で出来ないことも多くネガティブに考えがちです。コロナウイルスや自粛生活のことはコントロール出来ません。出来ないことを考えてストレスをためるよりも、出来ることに意識を向けたほうが有意義に過ごせます。

    例えば、仕事が少なくなって時間があるのであれば、英会話や資格等の勉強、家の中を断捨離して片付けるのもいいでしょうし、ずっと気になっていたことを新しい趣味として始めてみるのもいいと思います。外に出れなくて家にいることが長いのですから、今まで時間がなくて出来なかったことなどやってみてはいかがでしょうか。

運動するなら夕方がベスト

「ずっと家に籠りっぱなしというのもいやだ」ということで、ジョギングやウォーキングをする人も多いと思います。睡眠の観点から言うと、運動は夕方、正確には起きてから11時間後あたりにするのがベストです。この時間帯は一日のうちで体温が最も高いので、その時に運動すると夜眠った時に大きく体温が下がるため深く眠れます。ただ、人が多くて無理だという人は、家の中でラジオ体操などの簡単な体操をするだけでも効果があります。

また、その他の時間帯に運動をするのであれば、出来るだけ日光を浴びるようにしましょう。昼間にまとまった時間に日光を浴びると、体内時計の振幅が大きくなりメラトニンやセロトニンの分泌量が増えたり、体温のリズムの波が大きくなるそうです。なので、より熟睡しやすくなります。運動は、ストレス発散にもなります。健康を保つ上で欠かせないので効果的にしましょう。

入浴は寝る1時間前に上がるようにする

入浴もリラックスする上で大切です。最も睡眠が深くなる入り方は、「寝る1時間前に上ること」です。

お風呂に入って体温を上げると、その後自然に体温が下がります。その時に眠るようにすると、より深く眠れます。ただ、お湯は気持ちいいと感じる温度にしてください。熱い湯に入ると、交感神経が活発になってリラックスできないし、そのまま寝ても体温が高いため睡眠が浅くなります。

もし、熱い湯が好きな場合は寝る2~3時間前に入るようにしましょう。その時は、湯冷めをしないように気をつけてください。自然に体温が下がるのを待つわけですが、下がりすぎると睡眠中に下がる余地が少なくなるので、睡眠の質が下がります。寝るまでの時間を過ごす服装は、暑くもなく寒くもない程度にしてください。

シャワーの場合は体温はあまり上がりません。そのため、寝る直前に熱めのお湯で足首と首の後ろを温めてください。足首を暖めると、血行が良くなり、足裏からの熱の発散がスムーズになるので、体温が下がりやすくなります。また、首の後を温めると体が「体が熱い」と勘違いして体温を下げようとするので、より体温が下がりやすくなります。睡眠の観点から言うと、シャワーよりも入浴のほうがいいのですが、だからといって無理に変えようとするとそれこそストレスになります。自分の生活スタイルにあった方法を試してください。

今後、先の事で心配で寝付けない場合

いつまで、自粛生活が続くかわからないため、不安で眠れないという人も多いかもしれません。

寝付けない時、例えば明日のやること等の比較的軽い考え事の場合は、そのことを一度紙に書き出すといいです。一度外に書き出すとスッキリしますし客観的に見ることが出来ます。書き出す際は、書き出すことに集中し、考えないようにしてください。考えることは明日の朝に回して、いま頭の中にあることを確認するような感じです。

ただ、お店を経営して資金繰りが厳しいなど、重い悩みの場合は、書き出しても余計に気分が滅入るだけかもしれません。その場合は、頭を冷やすようにしたほうがいいかもしれません。脳はコンピューターと一緒で動くと熱を出します。冷やすことで強制的にクールダウンして、脳の働きを抑えるというわけです。

方法は、一番いいのは、凍らせた保冷剤をタオルでくるんで冷やす方法です。冷やす場所は、おすすめは額か後頭部。耳から上の部分にしてください。耳から下を冷やしてしまうと目が冴えてしまって逆効果です。また、発熱した時に使う冷えピタ等のおでこに貼るタイプは、体温以下にはならないそうです。なので、保冷剤と比べると効果が限定的です。ただ、冷たくて気持ちいいので、その効果で眠れるかもしれません。なかなか寝付けないという人は、試してください。

眠れないからと言って、アルコールを飲んで寝るのはおすすめしません。一般にはあまり知られていませんが、アルコールは睡眠薬と働きがよく似ています。いわばアルコールは、最も手軽に手に入る睡眠薬と言えるかもしれません。睡眠薬代わりに飲むと依存症になる可能性が高いです。一度依存症になってしまうと、元通りにはなるには数年以上かかると言われています。全く飲むなとは言わないですが、晩酌として夜ご飯の時に飲むか、いわゆる休肝日として飲まない日を作ったほうがいいです。アルコールと睡眠の関係については、こちらの記事も参考にしてください。「アルコールの睡眠への影響と付き合い方」

いかがでしたか。

今日、政府が非常事態宣言の延長を決定しました。経済のこともあるので、いつかは非常事態宣言は解除するとは思いますが、コロナウイルスとはワクチンが出来るまで戦うことになると思います。一度、解除になっても感染者が増えるとまた自粛生活になる可能性が高いです。ただ、お店を経営している人や仕事が休業になっている人は、お金の問題など大変だろうと思いますし、寝たからと言って問題が解決するわけではないです。しかし、睡眠不足になると、免疫力が落ちてコロナにかかりやすくなるだけでなく、メンタルもネガティブになりやすくなります。最悪の場合、うつ病や自殺を考えるようになるかもしれません。そうならないためにも、少しでも寝てすっきりとした頭で問題に立ち向かっていただけたらと思います。